うに担ぐように作り上げる(これ全体を左義長と呼ぶ)。前方となる正面に「だし」と呼ぶ作り物は意匠を凝らし、時
間をかけ経費を惜しまず各町の誇りをかけて制作される。干支の作り物を「むし」と呼び、背景は円形、方形、扇
布、するめ、干魚等)の食物を使って、その素材の色を活かして作り上げることが大きな特徴である。以前の左
義長は今より高く大きかったが、街中に電線がひかれたこと、また担ぐ力の関係からも現在の大きさになったよ
うである。毎年、年が明けると本格的な準備に入り、制作の経費や作業も各町毎で協力しながら、年毎に新たな
ものと思われる。いずれにしても今年のダシの作り物は猿であり、各町さまざまの猿がダシの上で祭の歓びに飛
び跳ねるのである。