安京の四方に建立された社の一つで、陽のいずる都の東(卯の方位)に鎮座する事から東天王と称した。清和
こと)と奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)のご祭神二柱が三女五男八柱神(やはしらのみこがみ)ものたくさ
んの御子神をもうけ子宝に恵まれた霊験あらたかな子授け安産の神である。また、往時境内を始め地域一帯が
産の祈願をされた。安産の神としての信仰は厚く、腹帯を持ち込み祈願する慣わしがある。
この日はたまたま神社の氏子大祭(稚児行列、子供神輿、湯神楽)の日であり、境内では湯神楽の神事が行わ
れていた。湯神楽は湯立神楽(ゆだてかぐら/ゆたてかぐら)ともいい、日本の伝統的な神楽の形式のひとつで
釜で湯を煮えたぎらせ、その湯を用いて神事を執り行い、無病息災や五穀豊穣などを願ったり、その年の吉兆を
占う神事の総称である。大きな三つの釜では熱湯が沸いていて、その前で巫女が神事を進めていた。