立木観音その４

 

 

 

 

 

 

 

 

境内から庫裡と本堂を繋ぐ渡り廊下の下をくぐり奥之院に続く石段を上ると、密やかに建つ奥之院の甍と提灯が

 

目に入る。奥之院には立木山を守る道了権現大菩薩が祀られている。手を合わせて前を過ぎ、やや下った場所

 

にある鐘楼、厄除けの鐘である。折しも女性の小グループが鐘を撞いていた。荘厳な響きが山中に広がってい

 

く。さらに下ると本堂の左に出た。本堂に吊るされた大小さまざまの提灯の、灯の入った朱の色が目に痛いほど

 

鮮やかで周囲の青葉と見事なほどに調和していた。少し喉に乾きを覚え御茶所で休息する。軒下の様子などま

 

ことに時代を感じさせる御茶所のたたずまいである。