動いている大船鉾を見上げると、やはり大きい。船のとも(船尾)をしつらえた白木の檜も香しく、宵々山のときは
よく見えなかった大きな舵も美しい装飾がほどこされゆっくりと揺らいでいた。
四条通りに出るまでには音頭方も
少しは落ち着いた様子で、音頭を取る。
四条通りに出る場所は少し下りになっているため、後ろから縄を引っ
張ってブレーキをかける。
四条通を北に向かって横断するのは初めて目にする光景である(前祭の船鉾は新町
通りのもう少し南に鉾町があるが、その船鉾も巡行の当日、
四条通りまではくるが、
四条通りで東に右折する。
また前祭のときの巡行はこの
新町通りを御池から南に向かい、この
四条通りを北から横断する)。えんじ色と浅
緑色の縦縞の胴懸もシンプルで美しく、まるで歌舞伎舞台の幔幕を見ているようである。まさに歌舞伎の千両役