「体験センター冒険家族」で昼食を終えたのち半月湖への道順を聞いて、来た道を少し戻り左折する。道路の正
面に見える羊蹄山の山頂部分には依然雲がかかっていた。ようやく半月湖畔自然公園の駐車場に車を停めて
続いているような静けさが辺りを包んでいた。10分程度登り道をゆくと木立の間から湖が見えてきた。半月湖で
で流れ出た溶岩により本体が形造られ、現在の大火口は3回目の噴火口である。半月湖は爆裂火口に水が貯
月湖(火口湖:面積1.3平方キロ)の周囲には原生林が密生し、深い森にひっそりとたたずむ姿は神秘的であっ
た。山道から湖畔に続くつづら折りの坂道を下ってゆき、猫の額のような湖畔に降り立った。原生林の樹木が断
ち切られたように迫る湖畔には倒木がここかしこに見られ、時折風が吹き渡りと湖面がちぢりめんのように小さく
波立ち、まさに古代からの時間が止まってしまったような悠久の空間がそこにはあった。時を忘れファインダーを
のぞいていると時折冷たいものが降ってきた。原生林に囲まれた狭い空を見上げると、なにやら雲の動きも早
い。急かされるような思いで未練を残しながらそこそこに半月湖を後にした。