湖東三山雪の金剛輪寺その２

 

 

 

 

 

 

 

 

静寂に包まれた参道の脇にある竹薮に降り積もっていた雪が落下すると笹の葉ずれの音が小さく響き渡る。そ

 

してまた静けさが戻る。冷たい冷気の中、さらに歩を進めると雪に飾られた石段の彼方に重要文化財の二天門

 

が見え、凍りついた石段を慎重に登りきると、国宝の本堂が迎えてくれる。まことに心地よい気持ちが心に広が

 

る。午後の陽が西に傾き、高い杉や寺の後方の山の端を明るく照らし出す一方、陽の射さない境内は薄暗くなっ

 

てゆくのを、降り積もった雪の白さが明るさをかろうじて保っている。