寺の方丈(本堂)の屋根が甍でなく茅葺きであるのは大変珍しいのではあるまいか。角の茅葺きの葺き具合など
直線かつ鋭角的で、眺める者の視線に食い込んでくるような鋭さがある。だが一方優美で柔らかで、人間の匂い
が漂うようである。方丈の前を過ぎると法堂(はっとう)がある。法堂は大雄宝殿と称し佐々木氏頼により創建され
た。この建物も過去三度の兵火や火災により失われたが
享保十三年(1728年)再建された。
釈迦牟尼佛・迦葉
尊者・阿難尊者が奉安されており、この三尊は
後水尾天皇より寄進されたものである。
法堂の前の庭を秋の陽が逆光で明るく照らしていた。