石塀小路を西に出ると殷賑な通りに出る。下河原である。右折すると正面に八坂神社の美しい鳥居が目に入
る。この下河原からの入り口が八坂神社の正面である。四条通りの突き当たりの石段のある三門を正面と思っ
ている人が多いようだ。静かな師走の境内に例年より遅い紅葉が鮮やかな彩を見せていた。
大晦日の夜八坂神社はおけら参りの人々で埋まる。本殿のそばに設けられたおけら木を焼いたおけら火を、境
内で買い求めた火縄に点火して家に持って帰り、元旦にその火で炊いたお雑煮を祝うと新しい年が無病息災で
過ごせるという。火が消えないように火縄をくるくる回しながら家路を急ぐのが京都の人々の古くからの大晦日の
習わしなのである。