は朽木に向かわねばならない。だから
国道367号線を右折しさらに山間を登ってゆく。九十九折になった急な上
りを登りきると、トンネルが目に飛び込む。
花折峠を突き抜ける花折トンネルである。
かつての鯖街道(若狭街道)
川明王院への参拝者が、仏前へ供えるシキミを峠付近で摘んだことが名称の由来となったという。国道367号は
「花折トンネル」(標高500m)で貫いており峠の交通を成している。このほか、旧道となった峠道(標高591m)も現
か、南比良(蓬莱山など)への登山道にもなっている。トンネルを抜けると空が急に広くなり、北にどこまでも続く
山塊が目に飛び込んでくる。右側に続く山塊が比良山系である。トンネルを出ると道は右にカーブするがすぐ右
鉄道や自動車が普及する以前の時代に、
若狭湾で取れたサバを徒歩で京都に運んだ道であったことから、この
ように呼ばれるようになった。サバに塩をまぶして夜も寝ないで京都まで運ぶとちょうど良い味になることから、運
ぶ人達は「京は遠ても十八里」と唄いながら寝ずに歩き通したと言われている。こうして運ばれた塩漬けのサバ
は京の一般庶民にまで喜ばれ、その到着が待ち望まれたという。現在も小浜や
国道367号沿線などには、鯖寿
司の製造を生業とした店が多数存在する。