昭和51年に金堂、同56年に西塔が落慶し、以後中門・回廊の再建工事と平行して大講堂の復元設計に着手。
高さは約17mあり伽藍最大の建造物である。
大講堂の頂部を飾る金色の鴟尾は鴟尾は高さ1.8m、幅1.2m、重量650キロ。青銅製で、表面に漆を塗
り、金箔が施されている。大講堂の鴟尾は金堂の約2倍。明治以降では最大級の寺院建築となる、大
講堂に見合う超大型の鴟尾である。
青銅製の鴟尾は、何段階もの手をかけた鋳型作りから始まる。粘土で完成品と同じ鴟尾を製作。これを
基に石膏でメス型を作り、樹脂で加工してさらにオス型を作る。大講堂の鴟尾では、これが三つのパー
ツに分けて製作された。
「銅を流し込むのは一瞬なので気が抜けない」と大谷氏(大阪市東成区の大谷相模掾鋳造所の大谷秀
約千度で溶かした銅を入れた容器をクレーンで移動し、鋳型に一気に流し込む。真赤に溶けた銅が生き
物のように流れ込むと水蒸気が立ち上り、緊張の一瞬である。
出来上がったパーツを組み合わせて鴟尾が形作られる。別々に鋳造したものをきちんと合うように作る
のも熟練の技という。