優雅な舞が終わると、舞台は再び緊張感がみなぎる。竹伐り会式のハイライト、年占いである。
江戸時代の中期ごろから法師たちが近江座と丹波座に分かれて勝負を争い、勝った方が豊作となる年占い
が始まった。本殿向かって右が近江座、つまり近江の国であり、左手が丹波座、すなわち丹波の国であ
る。鞍馬法師たちが左右二手に分かれ、導師の合図で、「オー」とばかりに山刀を振り下ろして、竹を一
節ずつ五段に切り、早く切り終えたほうが豊作となる。今年は丹波座が勝った。
占いの竹伐りが終わり法師たちが退場すると同時に子供達が先を争って舞台に飛び出て、舞台に散乱した
竹の小片を拾い合う。この竹の小片は無病息災のお守りとなる。大騒ぎの中子供達があらかた拾い終える
と今度は大人たちが舞台に上がり、子供達の拾い終えた残りを陽気な声をあげて拾い、そして千年の古式
は終了する。