京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

琵琶湖疏水船その2

      

      

水船三井寺船場に向かうため疏水に沿った小道を進む。途中見えてきたのが大津閘門(こうもん)である。琵琶湖の水位は京都蹴上の船溜の水位より4m高いため、大津閘門は琵琶湖と疏水路を舟が行き来するときに水門を開閉して、琵琶湖と疏水路の水位差を調整し、舟を通す役割を果たしている。第一トンネルに続く疏水の両側は桜の名所となっており、この時期疏水の両側の自動車道は観光客や花見客が大勢繰り出す、桜の名所である。わたしどもは係員の案内で疏水の小道をゆく。土手に植わった桜並木を下から眺めるという初めての風景の美しさに目を奪われる間もなく、疏水船の船影が視野に入ってきた。

 

琵琶湖疏水船その1

      

京都市大津市の観光事業の一環として、琵琶湖疏水を観光船で行き来する事業が2018年から春秋限定で行われている。今年も春シーズンの運航が3月28日から始まった。一部は今回から初めて、大津港まで延伸する。これまでの航路は、京都・蹴上―大津・三井寺の約7・8キロだった。琵琶湖と疏水の水位差を調整する大津閘門(こうもん)の電動化工事が昨春に完了。官民でつくる協議会が実証運航などを進め、今回の延伸にこぎ着けた。延伸便の航路は三井寺―大津港の約1・5キロ延び、乗船時間は約30分長くなる。前々から一度乗船してみたいと思っていたが今回思い切って乗ることにした。乗船区間は大津三井寺から京都蹴上まで、所要時間約80分(乗船時間約55分)、7・8キロの船旅である。わたしどもはJRの石山駅で電車を降り、京津電車に乗り換えて三井寺の駅で降りて、琵琶湖疏水の取水口である大津閘門の近くにある乗船場に向かった。天気は快晴、疏水や三井寺の桜は満開であった。

 

平野神社桜苑その2

      

      

桜は生命力を高める象徴として平野神社では平安時代より植樹され、現在では約60種400本あるという。当社に珍種が多いのは、臣籍降下した氏族の氏神でもあったことから、蘇り、生産繁栄を願い各公家伝来の家の標となる桜を奉納したからと伝えられている。平安期に、貴族たちは長い期間様々な桜を楽しみ、江戸時代になると庶民にも夜桜が開放され、「平野の夜桜」は都を代表する花見の名所となったという。平野神社原木の桜も多く、また長い期間(約1か月半)様々な種の桜を愛でることができる。来年は夜桜の風情を楽しもうと心に決めて平野神社を後にしたのだった。