京・近江の写真 春夏秋冬

京、近江四季折々の自然の風景とそこに住む人々、祭り、伝統芸能の写真

湖北清水(しょうず)の桜その1

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

桜並木と菜の花の美しい色彩に別れを告げ、さらに湖周道路を北上し高島市マキノ町海津に入る。次のお目当

ての桜は「清水(しょうず)の桜」である。

海津のまちはずれの墓地の中に一本大きくそびえ、樹齢300年以上といわれる巨桜「清水の桜」は、アズマヒガ

ンザクラと呼ばれる種類の桜で、高さ16メートル、幹の周囲6.4メートルの滋賀県自然記念物にも指定されている

県下最大級の桜である。この桜がこの地に根付いたころ、桜の前には北国北陸からの物資を京や大阪に運ぶ

「七里半越」と呼ばれる山越えの道が通っており、数多くの荷駄や人々が海津から追坂峠道を通って、敦賀津へ

出るこの七里半越で目的地へ向かっていった。のちにこの桜が成長するにつれ海津の街も姿を変え、当時の隆

盛を偲ぶ物も減ってきたが、この桜は人々の暮らしと海津の街の変化を見守りながら、現在でも四月の上旬に

はその美しい姿を見せてくれる。また、この桜は水上勉の小説『櫻守』でその題材とされたことや、その昔加賀藩

主前田侯が上洛の折、その美しさに見とれ何度も振り返り眺めたことから「見返りの桜」ともいわれており、春に

はこの桜を目当てに多くの人々が訪れる。