街路樹が夏の強い陽射しを和らげる御池通りに入った大船鉾はゆっくりと東に向かう。巡行に参加する山鉾は
京都市役所の近くに設けられた「くじ改め処」の前で止まる。くじ改めとは巡行の順番がくじ取り式で決まった順
番であるか奉行(京都市長)の確認を受ける儀式である。山鉾の先頭をゆく町行司が奉行の前でくじ札が収めら
れた文箱の結び紐を扇子を使って解き、蓋を開ける。町行司は中のくじ札が見えるように文箱を奉行の目の前
に勢いよく身体全体でお辞儀をするように差し出しと、奉行はくじ札を読み上げて順番を確認する。町行司は確
認を受けると後ずさりで後退し、文箱の蓋を閉め結び紐を扇子を使って文箱に巻きつける。その後町行司は扇
子を高くかざして山鉾に進行を促す合図を送ると巡行の列は動き出す。前祭でも場所は違うがこのくじ改めは行
われる。年若の町行司が慣れない仕草で儀式を終えると周囲からは拍手喝采が起こる。