奥津島神社を後にして、また路地を抜けていったん港に出、港の東、小学校の方へ向かう。島唯一の食堂や消
防艇の艇庫の前を過ぎ、春の陽気に誘われながら歩を進める。狭い道路は雑然としていて、道沿いの住宅も開
放的な雰囲気だが、この風景が離島の雰囲気を醸し出すのだろう。小学校に行くと今日は日曜だから、校舎は
ひっそりと静まりかえっていた。それなら町中で子供の姿を見かけてもいいのだが、子供の遊ぶ姿を全然見かけ
なかった。学校の何かの行事で島内にいないのかもしれない。湖岸のすぐ近くを漁船が心地よいエンジン音を
響かせながら通り過ぎてゆく。まことにのどかな風景である。