インターネットから転載
の森」には一面に椿の木々が茂っている。この森に、悲しい物語が伝わる。昔、おつうという娘がいた。若狭の
殿様に見初められ、女中として若狭で暮らすが、病に伏すと殿様の熱も冷め、里に帰された。ある日、殿様が再
び大原を通りかかる。病身のおつうは追いかけることもできず、高野川に身を投げた。川を下るおつうは大蛇と
なり、殿様の行列に迫るが、家来にまっぷたつに切り殺されてしまう。村人たちは大蛇の頭を「乙(おつ)が森」
に、尾は「花尻の森」に埋め、供養したという。春一番の風の強い一夜が明けると、大木の根元は、散ってもなお
あでやかな赤い大輪の花で覆われる。花尻の森には過去何度か訪れているが大木の根元が大輪の椿の花で
覆われている光景をまだ見たことはなく、一度見てみたいと思っている。