曳き手たちがエンジンということが出来るならいえば車方たちはハンドルであり、プレーキといっていい。状況に
より身を挺して曳山を停めることもあり、また曳山の方向転換でも重要な役割を担当する。
祇園祭の山鉾と違っ
て
大津祭の曳山は三輪車だから、前輪を持ち上げることで方向転換は容易であろうが、それでも車方たちは緊
張の表情を浮かべて取り組む。
大津祭は
天孫神社の祭礼。江戸時代初め、鍛冶屋町の塩売治兵衛が狸の面をかぶって踊ったのが始まりとさ
園祭の風情を色濃く継承した祭礼で現在13基ある曳山はいずれも江戸時代に制作されたもので、各曳山には
からくり人形が乗っており、江戸時代の大津商人の豊かな財力を彷彿とさせる豪華な曳山が
大津市の旧市街地
を巡行する。