三基の曳山は賑やかなお囃子を奏でながら八幡神社への参道を進んでゆく。境内に入り三基の曳山は所定の
場所に収まると改めて一斉に拍手が巻き起こった。拍手が鳴りやむと次に何が起こるのかと固唾を吞んで見て
いると、最初の永宝山(牛若丸と弁慶)から順次山飾りを支えていた二本の竹竿が山飾りから外される。竹竿が
山飾りから離れると山飾りは一瞬揺れるが、その後は何の支えもなく下部の人形を土台にして立っている。そし
て三基の山飾りから竹竿が外されると改めて万雷の拍手が巻き起こったのであった。茶わん祭のハイライトであ
り、それは山飾りを制作した職人たちの面目躍如の瞬間であった。