た住宅街にある駅であるが、2階建ての立派な洋風木造駅舎が威風堂々と建つ。
パステル調の緑を基調とした
明るい感じの駅舎だが、剥げている部分も目立つ。この駅舎は、
八日市線の前身、湖南鉄道の本社が置かれ、
絡線もできると、
新八日市駅は衰退していったという。だが現在も一時間に二本の電車が運行されており、近所
の人々にとっては重宝な交通手段には違いないだろうが、駅の窓口は午前7~9時の間しか開かないところから
みても一日の乗降客は少ないに違いない。
秋の陽が西に傾き、柱の影がホームに長く伸び、大勢の人々が座らなくなって幾年経つことだろうか、待合室の
長い木のベンチが寂しく時を刻んでいた。