参道の両側で参拝客を迎えるお地蔵さん、その向こうに見えてくるのが重要文化財である二天門(様式上、室町
時代末期の建築。元来は楼門(2階建て門)だったが、近世に2階部分が取り払われている)である。その両側に
は大きなわらじが吊り下げられているのは「七難即滅」(世の中の七つの大難 太陽の異変、星の異変、風害、
水害、火災、旱害、盗難)を願うものという。二天門をくぐると正面に見えるのが本堂である。入母屋造、檜皮葺の
和様仏堂で、中世天台仏堂の代表作として国宝に指定されている。須弥壇の金具に弘安11年(1288年)の銘が
あり、堂自体もそのころの建築と思われる。本尊を安置する厨子も本堂の「附」(つけたり)として国宝に指定され
像かと思われるほど、体部の彫りが荒々しく、行基の作であるかどうかは別としても、専門仏師でない行者の制
作である可能性もあるという。