初夏の古都(円山公園から二年坂まで)

 

 

 

 

 

 

 

 

京都生まれのわたしにとって、一番好きな八坂神社から清水寺までを散策した。周囲はすでに初夏の色濃く、八

 

坂神社の境内を抜けて、円山公園の中を通り、円山野外音楽堂の横を過ぎて、「ねねの道」と称する観光コー

 

スを、幕末新撰組を脱退した伊東甲子太郎の一派が御陵衛士の屯所とした月真院、豊臣秀吉の正室である北

 

政所（高台院）が秀吉の冥福を祈るため建立した寺院高台寺や霊山観音らを左に見ながら二年坂まで向かう。

 

霊山観音前の道ではいつに変らず露店が店を広げ、人力車が客引きをしていた。

 

近年観光客が舞妓の姿に変装して京都の町を歩く姿を見かけるようになった。業者の商魂に便乗して旅先で舞

 

妓に変身して周囲の注目を浴びてみたい女心も分からないでもないが、本当の舞妓さんからすれば迷惑なこと

 

に違いない。