途中トンネルを抜けてさらに走ってゆくと次第に急カーブが続く山の登りにかかかってゆく。この道が有名な鯖街
道である。両側の山並みが迫り、見える秋空の領域が小さくなってくると花折トンネルが見え、トンネルを抜ける
と視界がいっぺんに開け、紅葉に彩られた山並みが目に飛び込んでくる。
花折峠である。峠からは一気に朽木
渓谷に向かって下っていく。
鯖街道は鉄道や自動車が普及する以前の時代に、
若狭湾で取れたサバを徒歩で京都に運んだ道であったこと
から、このように呼ばれるようになったと言われている。サバに塩をまぶして夜も寝ないで京都まで運ぶとちょう
ど良い味になることから、運ぶ人達は「京は遠ても十八里」と唄いながら寝ずに歩き通したと言われている。こう
して運ばれた塩漬けのサバは京の一般庶民にまで喜ばれ、その到着が待ち望まれたとも言われている。今も
この道路は若狭と京都を結ぶ幹線道路として車の往来は多い。