浅田次郎の本はほとんど読んでいるが「鉄道員(ぽっぽや)」は浅田次郎の代表作といっていい。その本を映像化したこの映画も高倉健の魅力を十分に引き出した素晴らしい映画である。
プラットホームに立って線路の向こうを眺めていると、初秋の世界が銀世界に変わり、ぽっぼやの高倉健が雪の中に立ち尽くす映画の感動的なラストシーンが瞼に浮かんでくる。
富良野鳥沼公園を後にして、洞爺湖に向かった。国道38号線(狩勝国道)を南下し、南富良野にある根室本線幾寅駅に立ち寄る。幾寅駅は2014年に亡くなった映画俳優高倉健のファンにとって聖地のような場所である。日本全国に感動を巻き起こした、高倉健主演の「鉄道員(ぽっぽや)」。(浅田次郎原作)物語の舞台となった「幌舞駅」は「JR幾寅駅」(無人駅)として現在も利用されている実存する駅なのである。更に、「だるま食堂」などロケで使用された建物は、現在も映画の町並みのままに保存・公開され、そこに佇むと、まるで映画の中に入り込んだような感覚を覚える場所なのである。また、隣接している「情報プラザ」内には、鉄道員(ぽっぽや)展示コーナーがあり、スチール写真や出演者の色紙、主演者がロケで着用した衣装などが展示されているほか、撮影の様子を盛り込んだ映画のダイジェスト版ビデオが常時放映されている。鉄道員(ぽっぽや)のロケセットと同様の、この町全体の古き良きたたずまいは、訪れる人々をノスタルジックで暖かな気分にさせてくれるのである。
旭川から美瑛を通って富良野に向かう。カレーやシチュー、スープなど洋風料理に欠かせず、みそ汁、肉じゃがなどにも広く使われるタマネギ。国内消費量は年間約120万トンとされ、そのうちの半分以上を北海道がまかなっている。道産タマネギは貯蔵性にすぐれ、11月から4月までは全国市場を圧倒、冬場に限っていえば日本人が大好きなカレーライスに使われるタマネギのほぼ全部が道産品と考えていい。道内の主産地は札幌・岩見沢周辺、富良野周辺、それに北見地方という。特に北見地方は道内生産の約半分を占め、日本のタマネギの4玉に1玉は北見産ということになる。北見に次ぐ富良野のタマネギの生産量は年間7万トン、この時期収穫されたたまねぎは保存性を高めるため畑で乾燥させる。その風景もまた恵みの大地、北海道の雄大な風景といえる。
アザラシがマリンウェイと呼ばれる水中トンネルを泳いで上下する様子はいままで何度も映像でみているが、実際に見てみるとやはり迫力がある。トンネルを上下するたびに観客から歓声があがる。